世界遺産・興福寺のすぐ裏手にある、猿払池のそばに建つホテル「MIROKU」。17平米のStandard Queenにに1泊2日で滞在してきました。宿泊先を検討する際、個人が書いた宿泊記やブログなどで実際に泊まったお部屋の様子やホテルのサービス、周辺情報、滞在のリアルな感想を知りたい人も多いはず。そんなニーズに向けて、奈良観光や出張のホテル選びの際の参考になればと「MIROKU」の滞在記をまとめます。
「MUROKU」に滞在した雑感
16時にチェックインし、朝9時にチェックアウトした1泊2日の滞在でした。まずは泊まってみて感じた、率直な感想を次のとおり列記します。
良かった点
- 和モダンの内装が素敵で、落ち着く雰囲気
- カフェバーから見える景色が最高
- 興福寺やならまちへ好アクセス
- 同エリアにおいては手頃な価格帯
- 観光スポットながらも静かな環境
- 小規模ホテルなので館内の移動がショート
- バストイレ別でアメニティの質もよい
気になった点
- ホテル入口の段差と砂利がキャリーケース持ちには不便
- ヘルシー志向な朝食がやや物足りない
- コンビニが近くにあっても夜は閉店するので買い出しは事前必須
総合的には、使い勝手がよく快適な滞在ができるホテルだと思います。人気観光地の興福寺に近いため、観光滞在にも最適です。室内にデスクがあるため、PCを広げて仕事をしたい出張時の滞在や、私のように旅しながら仕事もするワーケーションにも適しているのではないでしょうか。奈良公園からも距離がほどよく離れているため、団体バスや修学旅行生の喧騒がここまでは届かず、Web会議にも支障はありませんでした。
夜はならまちにある居酒屋やレストランを利用するには、徒歩5~10分圏内。近鉄奈良駅までは徒歩で15分ほどでした。駅前に戻って食事や買い物をするにも不便のない距離感だと思います。
また、奈良観光は東大寺にしても春日大社、室生寺、吉野のいずれもアップダウンがそこそこある地形。意外と疲れるのでホテル館内の移動がショートで済む小規模ホテルを選ぶというのも、今回正解だなと身をもって。
具体的なお部屋や食事など、滞在レポートは以下からお読みください。
▶ MIROKU 奈良 by THE SHARE HOTELSを予約する「MIROKU」のある立地
奈良観光の定番スポットである興福寺のほど近く、放生池である猿沢池へも徒歩1分の距離にあるホテル「MIROKU」。エントランスを出ると興福寺の五重塔もこの距離感で仰ぎ見ることができます。
猿沢池の畔にはスターバックスコーヒーのほか、コンビニ(ただし夜には閉まってしまう)、ならまちが隣接していてお買い物や飲食には不便しません。これまで興福寺の近隣といえば高級ホテルや旅館が集中していましたが、「MIROKU」を始め手頃な価格で泊まれるホテルが続々オープン。奈良滞在の拠点として個人的に注目しているエリアでもあります。
そして「MIROKU」の場合は興福寺に近いといっても、歩いて5分程度のほどよい距離感。修学旅行生の喧騒や早朝の鐘の音も気になりませんでした。
「MIROKU」のロビーとエントランス
これがMIROKUのエントランス前。砂山のような造型と木材がおしゃれな雰囲気です。足元は本物の砂利が敷かれているので、ヒールが下に食い込んだりサンダルに入り込んだりとちょっと難儀。
和モダンを意識した、ホテルのアイコニックな鉢植えの大きなモミジの盆栽がとても素敵。ただ、入り口の自動ドアまでは階段を登らねばならず。一週間の奈良滞在だったため、大きなスーツケースを抱えていた私には不便さを感じた場所でもありました。いわゆるドアマンが立つようなホテルではないため、自身で引き上げねばならず。数段とはいえ荷物が多いor重い時には厄介だなと感じました。
内装は流行りの和モダンなコンテンポラリースタイル。無機質なグレーの壁やドアに、工芸品が並ぶロビーでした。ディスプレイする小物が温もりを感じさせるベージュ系のナチュラルな色合いのものが多く。どこを切り取ってもおしゃれな雰囲気です。
上層階へは右の鏡の裏にあるエレベーターを使用しますが、私が泊まったお部屋は1階にあり。左手のドアから入ってすぐのお部屋で移動がラクでした。チェックインはすべてタッチパネル操作で、ブラシやカミソリ等のアメニティはフロントで必要分だけを部屋に持って行くスタイルです。
「MIROKU」のStandard Queenルームについて
さて、逗留したお部屋は1階にある17平米のStandard Queenルーム。
廊下はモルタルでスーツケースを転がしやすかったものの、お部屋のなかはカーペット敷きになっていました。小さな段差があって、空間の境界線のようになっていたので降りる手前で靴を脱ぎ、スリッパに履き替えました。
足元の写真の次は、同じ場所から目線の位置の写真を。細い廊下の先にベッドと障子、壁掛けテレビ、ウォールハンガー、スーツケースを置くバゲージラックが見えます。左の壁の一部はドアになっていて、トイレや洗面所、独立したバスルームがその先にありました。
ベッドヘッドボードとベンチ、カウンターが一体型になったミニマルデザインな個室。
木のベンチとテーブルがあり、PCを広げたり買ってきたスイーツやらお弁当、夜のアルコールといった飲食の類はここで。ただし板の上に薄い座布団が敷かれているだけなので、数十分間座ってテレビを見るようなことにはお尻が痛くなって不向きかと。障子窓が近く、光量があるので朝のメイクはここで済ませました。
更に奥が冷蔵庫をはじめケトル、ティーカップ、茶葉などといったアメニティのスペースです。私が過ごした館内エリアには自販機はなく、飲み物は猿沢池の近くにあるコンビニや途中にある自販機で調達していました。
廊下のウォールハンガーと衣類用の消臭ミスト。17平米という小さなスペースを狭く感じさせないような造りになっていて、よく考えられているなあと。
廊下に溶け込むようになっている、洗面所への扉。指を入れて開けるのですが、初見ではわかりにくい人もいそう……。
開けてすぐ左側にトイレ、正面が洗面台、右側が独立したバスルームです。
歯ブラシや櫛、カミソリ等のアメニティは前述のとおりフロント脇のコーナーからセルフで取ってきます。そのため、ほかのホテルと比べると余計なものがなくて洗面所まわりがすっきり。うがい用のコップ、ハンドソープボトルは常備されていました。
ドライヤーやタオル類は洗面ボウルの下にある棚板にセット。
そして透明ドアの向こうにはバスルーム。なかが丸見えなので友達や夫婦など2人で来たら、どちらかが入浴中はトイレが使えない不便さはありますが、それでも独立している洗い場付きのバスルームがあるのはとてもいいですね。洗い場もバスタブもやや狭いのですが、旅の疲れを癒やすにはお湯をはって血行をよくすると翌日のコンディションが違います。
バスタブがあるホテルに滞在する場合、私は入浴剤を持参することにしています。特に歩き回る予定の旅行には、足に貼って疲れを取るアイテムも用意しておくと疲れをリセットできますよ。
お風呂にはボディソープやシャンプー、リンスもありました。いずれもイタリア発のオーガニック製品で、香りが爽やか。あまりこの手の製品に関心はなかったものの、とてもリラックスできたので今度は自宅でも使ってみたいなと。洗い心地もしっとりで気に入りました。
お部屋の障子窓を開けるとくもりガラスがはめ込まれていました。というのも、隣接するマンションがすぐ近くにあるため。それでも窓のサイズが大きく、朝はたっぷりと光が入って気持ちのよい目覚めを迎えられました。
朝食は事前に和か洋かをオーダーするスタイル
翌朝、フロントの向かいにあるカフェバーのスペースで朝食を食べました。夜はバーになっていて、手作りの果実酒をはじめ各種お酒を飲みつつゆっくりと寛げるのだそう。私は外で食べて飲んでしまい、利用はしませんでした。
テラスからは原生林と池の堤が見え、鹿もお散歩にやってきていました。
フロントとの間仕切りの役目も担う棚には、地元の物産を陳列。どれもお土産として購入することができます。
壁のニッチは本棚になっていて、カフェバーの時間に手にとって読み耽ることもできます。場所柄、奈良の文化芸術やインテリアの蔵書が多かったです。
カフェバーエリアのカウンターには、スタッフお手製の果実酒も。季節によって出回る旬の果実を漬けることも多いとか。
朝食は和食を選んでいて、このようなトレイでサーブされました。ドリンクは当日、メニュー表で選べる仕組み。この日はアイスコーヒーをオーダーしています。市内で人気のカフェ「くるみの木」が監修したメニューだそうで、地元の食材を取り入れた滋養を意識した構成になっているとか。
セイロに入っているのは、地元産の野菜を蒸したもの。ゴマダレをディップしていただきます。
プレートにはだし巻きたまご、味噌田楽、ほうれん草の胡麻和え、梅干し、奈良漬、かぶらの塩漬け。お野菜のゴマダレもそうですが、ナチュラル志向の食事でヘルシーではありますが……。おいしいけれども、お味噌汁も田楽の味噌も薄味なので関東出身の私には少々物足りなさがありました。どうにか梅干しで白いごはんを食べ切れましたが。
もともと朝食付き宿泊プランを選んでおらず、チェックイン時に朝食を1,900円で追加オーダーしました。食材の状況によってはこうした受付も可能だそうです。
「MIROKU」宿泊記、最後に
奈良は店が閉まる時間も早く、MIROKUのようなホテル滞在を楽しむ、いわゆるコンセプトホテルを選ぶことも旅を充実させる秘訣のひとつかもしれません。外に出るのが億劫な暑い夜や悪天候の日には、カフェバーでゆっくりと本を読む一人旅や、友達・家族と語らうのもアリです。
奈良の春日大社や漢国神社などといった参拝菓子などを綴っています。観光のお供にどうぞ。
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