興福寺や東大寺がある奈良公園の界隈は、奈良観光の際に多くの人が歩く場所。その一画にあってなかなか入りにくいのが『柳茶屋』という会席料理のお店です。「奈良名物 茶飯」とか「わらび餅あります」といった張り紙はあるものの、値段表記もなく。いかにも、な老舗の佇まいは敷居が高くてずっと素通りしていたんですが。
興福寺へ取材に行った帰りに、あまりの暑さにのどが渇いてしまって思い切って立ち寄ってみたら予想していたよりもずっと入りやすいお店でした。
興福寺から猿沢池の方向へ歩いてすぐにある柳茶屋
明治35年に創業した柳茶屋。興福寺と東大寺で、お坊さんが作り続けてきた茶飯が途絶えてしまうことに危機感を覚え、創業者が考案した茶飯の会席を出す店として開業したそうです。白黒の写真を見ると、開業当時と変わらぬ佇まいがまたしびれます。
会席料理を出す老舗とあって、おっかなびっくり入ったものの。お店の人は気さくだし、ちょうどお昼の時間ともズレていたことからお客さんは私ひとりだけ。広いお部屋の通していただき、お庭を眺めながらくつろがせていただきました。
お品書きはなく、店員さんから「お食事ですか? わらび餅ですか?」と聞かれるのみ。休憩のために入ったのでわらび餅をオーダーしたけれど、あとで公式サイトを見返してみるとわらび餅以外にも色々あるのね…。かき氷とか黒みつきなこのアイスクリームとか。なかでも、抹茶パウンドケーキとコーヒーみたいなカフェメニューもあるのは驚きでした。
で、これがわらび餅と抹茶のセット(780円)。きなこをたっぷりとまぶしたわらび餅にお砂糖が盛られています。お砂糖のジョリジョリ感がニガテなので、これにはだいぶ困りました。ひんやりしたわらび餅そのものは悪くはないんだけど…。
お抹茶も季節柄、氷が入っていて冷たくて美味しかった。氷で薄まる分も考慮して濃いめに淹れてありました。京都・宇治のお抹茶だそう。暑くてバテバテだった体に染み入ります~
わらび餅を全部平らげると、こんな鹿の絵皿があらわれました。これも長く使っているものなのでしょうか。遊び心がありますね~
このお店はここにあります
柳茶屋
奈良県奈良市登大路町4-48 興福寺本坊隣
[map]奈良県奈良市登大路町4-48 興福寺本坊隣[/map]