自宅でほぼ毎日、なにかしらの撮影をしています。InstagramやTwitterに投稿する写真や、寄稿記事に載せる写真を撮影したり。同じ背景にならないようバリエーションを増やしたいけれど、プロがペンキを塗った撮影用のボードは出来栄えが素晴らしい一方で、割高なのがネックでした。そこで、自分で材料を揃えて自作にチャレンジ。思ったよりも悪くない仕上がりになりましたよ。
背景ボードの材料1:ベニヤ板
ベースとなる板は「北零WOOD」で購入。シナ共芯合板でサイズは厚さ1.6mmx巾450mmx長さ600mmです。学生時代の図工のイメージで、ベニヤ板は表面がザラついているものと思っていましたが北零WOODのベニヤは写真のとおりなめらか。ペンキの正しい塗り方はベースを最初に塗布して表面を平らにすることから始めるようなのですが「これだけきれいならこのままでいいか」と、直接ペンキを塗ってしまいました。
専門店で購入した背景ボードは5mm~1cmの厚さがありましたが、場所をとらない薄手のベニヤ板を購入しています。実際、写真のように工作で使うような薄手のもので片手で持つと板がしなります。
小物だけでなく雑貨の集合体やカバンのようなサイズの物撮りもあるので、巾450mmx長さ600mmの大きさがあれば充分かなと思っています。
背景ボードの材料2:ターナーのペンキ「MILK PAINT」
ペンキはターナーから販売されている「MILK PAINT」のminiを購入しました。森永乳業のミルク原料を使用した天然由来のペイントで絶妙にかわいい色が揃っていて、7色まとめてお買い上げ。しかも背景ボードを作るだけの量のペンキってなかなか見当たらず。「MILK PAINT」はちょうどよいミニサイズがあったので、トライするにはおすすめです。
塗る作業用の道具:ハケや古新聞、ゴム手袋など
作業に必要な道具としてペンキを塗るためのハケ、ベニヤの下に敷く古新聞、作業用にゴム手袋があるといいと思います。私の場合、ゴム手袋をくっつきにくくするために使用されている粉がアレルギー症状を引き起こすので、素手で作業しました。水溶性なので、手についても古い歯ブラシなどでこすり洗して落とせましたよ。
あとはペンキを出すための容器も必要ですが、100円ショップの紙コップなら使い捨てができて便利です。使わないコップやジャムの空き瓶などでもOKです。
このほか、スポンジで塗る方法をネットで見つけて食器洗い用のスポンジも購入していました。作業中にハケの毛が落ちて表面にくっつくのがイヤで、実際の作業で使用したのはスポンジのみです。
このままでも塗れるのですが、持ち手を作りたかったのでネットからスポンジを取り出し、半分にカットします。
スポンジを二つ折りにしたら割り箸に装着して、ゴムでしっかり止めます。色を替えるときには、スポンジ部分を取り替えればOKです。
景品でもらった不要なキャンドルホルダーがあったのでペンキ入れに使い、こんなふうにスポンジに付けて塗る作業をしました。
背景ボードを作る、作業の流れ
特に下地を塗らず、そのままベニヤのハシからタテにひたすらペンキを塗っていきました。色はMILK PAINT miniのピスタチオグリーンです。
ピスタチオグリーンのペンキを一度塗りを終えたところです。乾きが早いので、ムラがあるように見えますがこのまま進めて大丈夫。ペンキをとって最初にスポンジを置いたところはペンキが溜まっていることもあるので、見つけたらスポンジを細かく動かして均します。
最後まで作業が終わったら、ハシから二度塗りを行って完了です。
自作の背景ボードのお試し撮影
これは連載しているWEBマガジンで使用する予定のお菓子を使って試し撮りしてみました。ベニヤなので木目が確認できますが、素人の2度塗りでも問題なく背景ボードとしての役割を果たしています。
普段は光の当たりかたがフラットになるよう西日の差し込む時間に撮影しないのですが、ガラスのキャニスターをあえて西日を使って撮ってみました。背景ボードのペンキはMILK PAINTminiのグレーです。明るい単焦点レンズを使っているのもありますが、白っぽいグレーなので汎用的に雑貨や食べ物の撮影で使えそうです。
これはディキシーブルー。人気の男前インテリアでもよく使われる色ですが、Instagramのおしゃれな物撮り画像にも多用されています。こんな色の背景ボードがあったら、撮影の幅も広がりそうだなと思って作ってみました。
コンクリートっぽい背景ボードも作れる
これはターナーのMILK PAINTのダストメディウムという、あえて汚した質感を作れる特殊なペンキです。これを使って、ディキシーブルーに塗ったベニヤをコンクリート風の背景ボードに変えてみます。
これも100円ショップで調達した、目の荒いスポンジを使用します。公式動画ではハケの先を使ってカスレを作っていました。ダストメディウムのペンキを少量スポンジにつけたら、新聞紙の余白に塗りつけてからベニヤにハンコを押すようにスポンジをポンポンと。その後、スポンジで小刻みにしたり大きくうごかしたりしながら左右に拡げます。
ダイレクトに塗るのではなく、ワンバウンドしてからカスレをつけていくとベッタリとペンキを塗らずにいい具合に汚すことができました。
アイシングクッキーの瓶を置いて試し撮り。いい具合にカスレています。
プロのつくる背景ボードに比べると、もちろん遜色あることは否めません。それでもワンコインで買えるベニヤ板とペンキで、それに近いものが作れたので満足しています。ベニヤは裏表使えるので、5枚買えば10種類の背景板になるので撮影のバリエーションも広がりそうです。