1997年に作られた映画『宋家の三姉妹』を観たのは、大学の近くにあった岩波ホールだったと記憶しています。波乱に満ちた宋靄齢・宋慶齢・宋美齢の三姉妹の運命に驚嘆するやら、近代中国史がわかりやすく時系列的に展開されていたので「なるほどそういうことか!」と感心しきり。なぜかその後も繰り返し観るなどドハマりしてDVDも購入したわたし。
北京に行くと決めた時から、絶対はずせないと思っていたのが宋慶齢の住まいを博物館にした「宋慶齡故居」でした。
古い街並みが残る后海エリアに建つ「宋慶齡故居」
北京オリンピックの開催で、古い四合院の建物がたくさん壊されたという市内。でも、この后海エリアは保護地区になっているそうで古い石造りの壁や装飾が残された伝統的な家屋がいっぱいありました。日本人向けに人力車でぐるっと観光して周るツアーも人気だそう。夜はカフェやバーで地元の若い人や観光客が多く足を運ぶエリアでもあります。
そんな一角にあるのが、革命の父・孫文夫人の宋慶齢が暮らした住居跡です。今は彼女の功績を称える博物館に改装されています。館内は写真撮影OKなので、めいっぱい撮影してきましたよ。
展示はすべて中国語で、英語での解説も付記されています。漢字の国なので中国語が理解できなくてもおおよその内容は理解できるかと。
活動内容を始め、愛用品の展示も盛り沢山。衣服は実際の背格好が想像できて有り難い!
これは孫文と宋慶齢の結婚写真を油絵にしたもの。孫文は日本に亡命していた時期があり、宋慶齢が追いかけてきて結婚したというエピソードがあります。
このあたりは映画にもバッチリ描かれていたので、一目絵を観た瞬間に「これは!」と。映画は史実を忠実に再現していたようで、劇中の衣装もこのとおりでした。
館内は結構広いのですが、なにしろ住居跡を博物館にしているので2階は生々しく当時の家具がそのままの展示。
中には入れませんが、扉の外から室内を撮影しました。宋慶齢の執務室であり、寝室だったそうです。
右に映るベッドが、宋慶齢が息を引き取った際に横たわっていたものだそう。執務室にベッドがあるわ、よくみると応接セットがあるわ、どれだけ働いていたのでしょうか・・・。
テレビの上にある日本人形は日本で結婚したときに買ったものなのか、後年買い求めた(贈られた)ものなのかはガイドさんもわからないそうです。
宋美齢の住居だけど、もとはラストエンペラーの生家だったとか!
今は宋慶齢の住まい跡として博物館になっているこの建物。実はそれ以前はラストエンペラー・愛新覚羅溥儀が生まれた家なのだそうです。わずか2歳で皇帝に即位させられるまで、溥儀はここで過ごしたとか。
2月に訪れたので敷地内の緑が寂しい感じに写っていますが、邸内には人工の湖があり初夏はとても美しい庭園なんですって。ゆっくり見て回るなら2時間ほど時間を考慮しておくとよさそうです。
この場所はここです
北京宋慶齡故居
中国 Beijing, Xicheng, 后海北沿46号
[map]中国 Beijing, Xicheng, 后海北沿46号[/map]