京都・東林院で行われる「小豆粥で初春を祝う会」が清々しい

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京都にある妙心寺の塔頭寺院・東林院で行われる「小豆粥で初春を祝う会」。毎年1月15~31日まで行われる恒例行事で、普段は非公開の東林院も拝観できるまたとない機会。ずっと参加してみたかった行事なので、写真多めでレポートします。

ちなみに先日、女性向けWEBメディア「ウートピ」さんに同じく東林院の宿坊記事を寄稿しているので、よろしければご覧くださいまし (o・ω・o)

[blogcard url=”http://wotopi.jp/archives/48000″]

 

年に数回、拝観できる非公開の寺院・東林院

日本最大の禅寺として知られる京都の妙心寺。行った人にはよくわかると思うのですが、妙心寺はとにかく広い! しかも敷地内を地元の人が抜け道として使うので車やら自転車やらが走り抜ける、びっくりな光景も。

そんな敷地の一角にあるのが48もある塔頭寺院のひとつ、東林院。寺庭に咲く花が名物で「沙羅双樹の寺」としても知られています。

普段は非公開のお寺なんですが、ご住職による精進料理の参加や宿坊への宿泊、年に数回行われる催事に限って中を拝観できます。今回の催事「小豆粥で初春を祝う会」もそのひとつ。
いくつかある拝観機会のうち「小豆粥で初春を祝う会」を選んだのはなぜか。「阿じろの精進料理も食べたかったから」というのが最大の理由です。

というのも、「小豆粥で初春を祝う会」で出される料理は、妙心寺御用達の老舗精進料理店のもの。食いしん坊には料理に興味津々だったのです~!

 

事前予約は不要、まずはお庭を眺めながら梅湯茶礼から

この「小豆粥で初春を祝う会」への参加は事前の予約は不要。直接、11~15時の間に東林院へ伺ってお代を支払えば中へと案内されます。真っ赤な毛氈が敷かれた廊下を通り、お膳の前へ。

梅湯茶礼が行われる床の間には、お正月の時期には欠かせない千両が。ピンと張り詰めたお正月の和室の空気間と、迫力ある墨絵のお軸が相まって自然と背筋がシャンとしますね。

ほどなく、梅湯のお椀と御膳が運ばれてきました。掛け紙にはなにやら「福茶と祝菓子のいわれ」の説明書きが書かれています。出された御膳の内容に関して、その意味が次のように書かれていました。

[blockquote cite=”東林院 「小豆粥で初春を祝う会」使用の掛け紙から引用”]

◆福茶
元旦に若水で点てた茶に梅干、昆布、山椒などを入れて、家族全員で頂くと一年中邪気を払い万病を除くと言い伝えられている。

◆茶礼
禅寺では、和合のため一同に会して茶菓を頂く礼式を茶礼という。

◆梅湯
梅干に白湯をそそいだものを梅湯と云います。
口中の汚れを清め、心身の邪気を払うと共に保健のために最もよいと云われている。

◆梅干
梅は寒中に開花し、雪や寒さにも決して節操を曲げないとして、古くから尊ばれている。梅干も老人の呼名になっているところから長寿を表すものとして喜ばれています。

<祝菓子>
◆松の雪
主菓子、小倉あん、小豆きんとん製

◆結び笹
干菓子、和三盆製、松と共に縁起ものです。

◆昆布
古くは「ヒロメ」と呼ばれ広布と書く。広くなるという意で現代の喜びに通ずるものです。

◆柿
嘉来に通じ万物をかき集めるという目出度い意です。

◆豆
厄払いの意と共にマメであることを感謝(祝)し、健康に暮らせるようにの意味です。

◆くわい
良い芽がでますようにとの願いです。

◆みかん(橙)
代々つづき栄えるの意です。

[/blockquote]

掛け紙をめくると、お懐紙に載せられた祝菓子がキレイに並べられていました。掛け紙を見ながら食べられるので、それぞれがどんな意味があるのかを理解しながら美味しくいただきました。

茶礼を一通り終えると、お声がかかるまで思い思いに過ごします。私はせっかくなので、お庭を拝見したり撮影不可の場所を除いて撮影を楽しみました。

建物内は決して瀟洒な作りではないのですけど、どこも磨き抜かれてピッカピカで気持ちがよかったです。さり気なく飾られた花もすばらしい。

冬の時期なので、落葉樹は枝ばかりで寂しい感じがしましたが春や夏は見事でしょうね。木の切り株を台にして、鳥へのご飯が捧げられていました。

切り干し大根をつくっている最中でしょうかね。この東林院では、宿泊者へ出す精進料理に使う野菜も寺内の畑で作っているそうです。

 

小豆粥をいただくため、お部屋を移動

時間が◯時◯分から開始、というふうに始まる会ではないので、着席した10人前後の飲食が終わった頃を見計らって声がかけられます。するとお部屋を先達の後ろについて移動をして、小豆粥をいただく流れをとっていました。宿坊として利用されている奥の部屋も移動中にチラリとみることができましたよ。

廊下には本日の会のお献立が墨書きで張り出されていました。

たっぷりと陽があたる廊下に面した和室が、小豆粥をいただくお部屋でした。

一部屋に5~6人程度が相席になり、朱塗りのお膳を囲みます。たまたまなのか、ご夫婦やグループで来られた方と同じ組にはならず、知らない者同士なので特に会話もせず黙々といただきました。

着席してから配膳されるので、お椀もあつあつ!
そして、食べる前に行われるのが「散飯」です。かかりの人がもってくるチリトリのような容器に、自分の御膳からひとくち分を載せていきます。

これは衆生への施しの心を培うための禅寺ならではの食事方式なのだそう。あつめた一口分の食事は庭で生き物が食べるんですって。禅寺ならではの体験ですなあ~。

さあ、いよいよ小豆粥をいただきます。やさしいお味のお粥は、お餅も入ってお腹にもしっかり溜まりました。新年に小豆粥を食べることで一年中の邪気を払って万病を取り除くといわれているそうな。

ほかにも黒豆、厚揚げと大根の炊き物、葉物とお揚げの和物、香の物、ひじきが並びました。どれも美味しかったのですが、黒豆が絶品! 実は黒豆がニガテで、おせちでも絶対に手を付けない品目だったのですが・・・その美味しさにびっくりしました。ほっくりして甘くて滋味深い・・・。書いていたら、また食べたくなってきた。

食事が終わると、三々五々退席して終了です。
お料理が美味しかったのはもちろんですが、新年にこうしてお寺で季節の行事に参加するっていいなあと。やっぱり節目節目を大切にしてきた日本人のDNAなのか、とてもしっくりくる滞在でした。

特別に華やかな催しではないけれど、新しい年も穏やかに過ごせるような気分になる。そんな体験イベントでした。

 

この旅のポイントまとめ
・ 事前の予約は不要
・ 普段は非公開のお寺の拝観ができる
・ 邪気を祓う伝統行事に参加ができる

 

この場所はここにあります

東林院

京都府京都市右京区花園妙心寺町59

 

 


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