広州に残る、度が過ぎてレトロな街並み「越秀書院群」【広州旅行】

ガイドブックに“古い街並みが残る”と書いてあるだけで、テンションが上がってしまうワタクシ。もちろん、即座に日程に組み込むのが常なのですが、今回訪れた「越秀書院群」はなんとも言えないスポットでありました。写真で見るとすごく魅惑的なんですがね~・・・。古い街並みという言葉に偽りはないけれど、なにしろ古すぎて朽ちるギリギリ手前といった建築物ばかり。13時なのに暗い場所も多く、女性が一人で散策するのはかなり勇気がいりました。

 

科挙の試験勉強のために建てられた「越秀書院群」

件の「越秀書院群」は、広州の繁華街・北京路のすぐそばにあります。

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北京路は海外メーカーのショップや百貨店、コンビニなどが密集する近代的なショッピングストリート。その大通りから一歩脇道にそれた一角の裏手にひっそりと佇むのが「越秀書院群」です。

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「越秀書院群」がある路地裏は、「流水井」と書かれたこのゲートを目印にするとわかりやすいかと。なにしろ路地裏の遺跡なので、GPSを頼りながら移動してもかなり探しにくかった~!!

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この辺りは広州市がその価値を評価し、保護区に指定しているそうで。まだ新しい案内板も中国語と英語で設置されていました。この小道は「大小馬站書院群」と呼ばれる大小さまざまな書院群が今も残されているエリア。ベッタリと貼られているのは、このエリアにある売物件の広告でした。 科挙と呼ばれる官僚登用試験が実施されていた清の時代。同族の子弟の受験を支援するため、宿泊所や勉学のための場所を提供する目的で建てられたのが“書院”でした。広州は国内で唯一の通商港だったため登用を志す人が多く集まり、建てられた書院の数は清国全土でトップだったとか。

この「大小馬站書院群」がある一帯には、かつては数百の書院が建っていたそう。今は僅かに残るのみで、広州市は保護や修繕を進めていくそうです。

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ゲートをくぐった先には、ところどころに清朝時代の書院の暮らしを描いたレリーフがありました。どれも建物としては現役で、アパートや個人宅、店舗として利用されています。

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●●書院の文字を探しながら散策する

「大小馬站書院群」は一本の細い小路が延々と続いています。

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人通りもまばらで、薄暗い細道が続きます。まるで城壁のような石積みの壁のところどころに、●●書院の文字が書かれた玄関口が。奥へ入って見学をすることは問題ないそうで、入り口に立つ住民に断って写真も撮らせてもらいました。

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腰の曲がったおじいさんやおばあさんが入り口に椅子を出して座り、ひなたぼっこをしている棟もチラホラ。これには正直ギョッとしたことも。目が合うと、ニコニコと笑い「中へ入って見ていきな」というように手を振って奥のほうへと誘導してくれます。こういう時、簡単な中国語を喋れたら色んなお話ができるのになあ~と自分の語学力のなさを痛感する。。

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「冠英書院」と書かれた建物。馬家祠とも呼ばれるそうで、今も人が暮らしています。

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ヒキでみると、こんな光景です。右にみえる3つの扉はそれぞれ独立した小部屋になっていて、物置として使用されていました。元は勉強部屋だったのでしょうかね?

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現役の井戸。鉄鍋で水を汲み上げているようです。

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市のレリーフがはめこまれていましたが、空を見上げると視界に入るのは・・・

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苔むした屋根に、今にも崩れ落ちてきそうなレンガです。隣には洗濯物がズラッと並べられていて、当時の面影を偲ぶものは壁の文字だけでした。

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書院群のある小道の一部は外壁の損傷が激しく、転落防止の柵が組まれている箇所もありました。

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ねこさんにもよく遭遇しました。

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写真は「越秀書院群」を代表する建物で「考亭書院」の魁楼。この敷地には3つの祠堂があったそうですが、とうの昔に取り壊されていて残っていません。南宋の儒学者・朱熹の子孫である朱姓の人が科挙の勉学のために建てた書院で、この魁楼だけが建築当時の雰囲気を今に伝えています。

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魁楼の下にハッキリと残る、「考亭書院」の文字。

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何を意味するのかわかりませんが、井戸には数字が彫られていました。

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通りの一部は観光スポットとして整備を進めているようですが、まだまだ全体的な保存・補修には至っていない模様。さらには再開発も進んでいるようで・・・

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取り壊されてフェンスで覆われた場所も少なくありませんでした。次に来た時には、この歴史的な遺構が失われているのか保存されているのか・・・どちらなのでしょうね。

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「越秀書院群」を歩いたのは、平日の13時から約1時間足らず。写真でもわかるとおり、薄暗く人影もまばらで一本道に小さな路地が張り巡らされた区画です。好奇心が勝って小道の奥へ奥へと入っていきましたが、終始おっかなびっくり。ガイドブックではレトロでノスタルジックな雰囲気たっぷりの写真で紹介されていましたが、レトロすぎる上に崩落する可能性のある建物もチラホラ。

何かあっても逃げる場所も助けを求める人もいないので、女性の一人旅で行くにはこうしたことも心得た上で出かけるべきかなと。早く整備を進めて、もっと観光地化してしまうと違うのでしょうが・・・。これはこれで失い難い味わいでもあるような。

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ギャラリーにリノベーションした物件もいくつかありました。

 

この場所はここにあります

越秀書院群(大小馬站書院群)

広東省広州市越秀区西湖路72号付近

広東省広州市越秀区西湖路72号付近